乳癌と温熱療法
私が乳がんの患者さんに温熱を施していて最近特に感じる事があるのです。
それは心と乳がんの部分、「しこり」と呼ばれる腫瘍部分は繋がっているということ。
私は女性ですので、その部分を触らせて頂きながら熱刺激を入れていきます。
それは熱という物理的な刺激を使うので、火傷をしない様そのつど皮膚の状態の確認と
刺激を入れる事で「しこり」がどう変化していくかを確かめるためです。
ある方に温熱をしていた時の事でした。
患部への熱刺激の合間に、世間話のつもりでその方の1番好きな食べ物を聞いてみました。 きっとその食べ物を思い浮かべているのでしょう。
ニコニコうっとりした表情を浮かべながら教えてくれました。
するとさっきまで硬かった「しこり」がフワ~っと柔らかく動くのが伝わって来たのです。
「しこりが動く⁉ 」
この感覚は何だろうと今度はその方に「何がストレス?」と質問を変えてみました
顔つきが変わり思い当たるストレスの話をしたとたん、
手の中で 「しこり」が急にギュギュッと固く動くのを感じました。
とても不思議な現象なので他の乳がんの方にもしてみたところ、やはり同じような現象が起きたのです。
それからは乳がんの方には、
「自分のしこりは自分の心のバロメーターになっているかもしれませんよ」と、
事あるごとにお話しするようにもなりました。 精神的なストレスは「しこり」の状態にとてもおおきな影響を与えるのではないか。
自分の心の動きはなかなかわからないと思います。
「しこり」を自身で触ってみて、固くなったり柔らかくなったりと変化を感じる事で、「今イライラしたなー。ダメダメ、しこりが固くなってるぞっ」なんてことを思いながら、自分の心と向き合って貰えたら。
このような経緯から、私は施術中に熱刺激していて変化する「しこり」には、「お利口さんだね~」なんて、つい声をかけちゃうことがあります。
例えば手術をする前までにも、こんな感じで自分の胸=心と触れあってみてもいいのではないでしょうか。
心の動きがみえれば、術後の自分が変わるかもしれませんね🌠