まず、不定愁訴(ふていしゅうそ)って何? という点ですが

「明確な理由がわからないにもかかわらず起こる、身体と精神の不調」といったところでしょうか。

なぜか頭が重い、肩が張ってしょうがない、腰が痛い、お腹が痛い、身体がだるい、気分がのらない、妙にイライラする etc…

身体と精神に重くのしかかる、ゆるいストレス状態ともいえますね。

また、「なぜか」という部分が特に、タチの悪さを象徴していると思います。

それらの症状は急に出たり出なかったりするので、周囲からは身勝手でわがままな訴えと思われがちですが、本人はとてもつらいものです。

不定愁訴による不快な症状は、その人それぞれの環境や季節の変化、疲れ・悩みの溜め込み、あらゆるストレスで自律神経の働きがおかしくなって起こると考えられています。

この自律神経の働きをよくするには、交感神経と副交感神経の協調が大事です。

どうやって?

もちろん、温熱で「直接」、刺激してやるのです。

原因を探るところから始めてみる

細かく探ることができれば本当はさまざまな理由があるのだろうけれども、実は、決定的な原因などわかりはしないと考えています。

「自律神経失調症」なんていうあやふやな病名があるにはありますが、実際の症状は、不定愁訴の症状と大きく重なる部分があるように思われます。

たとえば「ホルモンのバランスが良くない」とたくさんの不定愁訴を訴える。

でも、ホルモンバランスの良し悪しなんて、正直どうやって判断するのでしょうか?

急にカラダが寒くなったり、反対に暑くなって大汗をかいたり・・・

他人には理解できないくらいヒザから下が冷たく感じる。夏でも厚めの靴下をはいてなきゃ耐えられない・・・

いつもの便秘だ・・・、毎度のことキツイ生理痛・・・

なぜ原因がわからないの!? いい薬はないの!? これは一体、いつまで続くの・・・!?

ゴールを知らされていないマラソンのごとく、これは心身ともにかなりキツイ状態です。

私たちはこの原因を「自律神経の乱れによる結果(症状)」と捉えてみることにしました。

悪循環のプロセスを紐解いてみる

自律神経は人間の多様な環境に応じて変化し、内臓の働きや体温、体中の水分調整、免疫機能などをコントロールしている神経です。

まさに人間にとっての生命線であるといえます。

そもそも「自動調節機能を持つ神経系なので簡単に壊れたりはしない。もし狂ったら・・・大変だもの」

しかし、壊れるまではいかなくても、自動調節機能が弱ってしまえばどうなってしまうでしょうか・・・?

たちどころに不定愁訴のあらゆる症状が発生します。

長時間のデスク作業、理不尽な業務命令や人間関係、人にはなかなか理解してもらえない性格、漠然とした将来への不安など・・・。

肉体的な疲労はもとより、精神的な疲弊が積み重なることで、本来、自律神経がもつ自動調節機能が著しく弱まる。

すると気温などの環境やストレスによる感情の変化もあいまって、身体の機能がついていかない状態になってしまうのです。

こうしたプロセス(行程)を経て考えてみることで、原因不明のさまざまな不定愁訴が生じてくる原因がつまびらかになってくるのではないでしょうか。

さて、次第に原因の糸口をつかめてきたとしても、いったいどうすれば自律神経のバランスを取り戻せるのか?

これはまさに、温熱療法が適していると結論づけます。

なぜなら温熱療法のなかでも、とりわけ三井温熱療法の熱刺激は自律神経に直接はたらきかけるからです。

交感神経優位と副交感神経優位を交互に誘い出す

その理屈は簡単で、まずは背中の皮膚の中から熱く感じる場所を丁寧に・ていねいに探し出し、そこを狙って熱刺激を行います。

まずは、熱くて痛いくらいの勢いで「交感神経」を激しく刺激し、あえてストレスを誘い出す。

そこですぐさま、まるで温泉にでも浸かっているかのような気持ち良い温度で温刺激を行うことで、今度は「副交感神経」を誘い出します。

「熱い」と感じる刺激と「温かい」と感じる刺激というのは、相反した関係にあります。

そんな稀有なことが起こったとき身体は「自律神経をフル活動させなくては!」「環境の変化が起こっているのでこれに対処しなくては!」と自動調節を行おうとするのです。

こうして自律神経に「リハビリ運動」をさせるのです。

機能が弱まった程度の状態ならば、有効なリハビリ運動をすれば、正常に戻る可能性が高いことは当然の理屈であります。

交感神経と副交感神経の協調がうまくいくようになれば、これら不定愁訴の症状を緩和させることは可能なはずなのですから。